天野先生と一緒に店を出た。
雪がちらついていて、思わず空を見上げた。
じゃあまたと、次はいつ会うかわからないのにまた会うような短い挨拶を交わす。
天野先生はくしゃみをすると、ポケットに入れていた手を出して、小さく振った。
私は、天野先生の背中を見送ってから、広瀬通りまで歩く事にした。
「真唯子さーん」
後ろから呼ばれたので振り返ると、綾仁くんが自転車で向かってくる。私の横に着けると
「良かった、間に合った」
吐いた息が白く舞う。急いで来たのが伝わってきて、思わず笑みが零れた。
「お疲れ様。今日、忙しかったから、疲れたでしょ?」
「ああ、はい。少しは」
綾仁くんは自転車を押して歩く。
雪降って来たね、どうりで寒いと思ったと言うと、頷き、綾仁くんは、顎先を埋めていたマフラーを引っ張った。
何か訊きたそうな瞳で
「今日、なんだか大変そうでしたよね? 連れの方、大丈夫だったんですか?」
「うん。まだ連絡きてないけど、たぶん大丈夫だと思うよ」
何も連絡が来てないという事は、二人が無事に会えて話が出来ているという事だ。



