甘いだけの恋なら自分でどうにかしている


「それに感情は取り消せないし。そもそも感情にいいも悪いもないんじゃない。
ただ、それを感じてる自分が苦しいから、どうにかしたかったり、こんな事言ってる自分が悪いと責めたら変われると思ってるだけで」
「……感情にいいも悪いもないですか?
でも怒ったり、言い合いをしたりするのは、私すごい抵抗あります。すごい嫌な思いしましたから」
膝に置いた拳に力がこもった。

「嫌な思いをした過去に意識があるから、未来もそれに縛られているだけでしょ。
まあ感情味わいたくないなら、それでいいと思うけど。

たださ、不快さから逃げる為に楽しいこと考えたり、怖さを隠す為に笑うとかさ、普段から感じる事から逃げてるような奴が、喜びとか幸せとか、自分が味わいたい感情だけ味わえるなんて出来ないよね。

感じることを麻痺させてるんだから。
そのうち、感情とイメージリアクションの違いもわからなくなる。
そうやって真の感情を感じられなくしてるから、自分の身体も悲鳴をあげて当然なんだよな。

そういう人、結構いるなと思って。ほら、俺、精神科医だし」