甘いだけの恋なら自分でどうにかしている


ほっとして息を吐いた。カウンターに向き直ると
「行かせちゃって良かったのー?」
天野先生が軽い口調で尋ねる。
「どういう意味ですか?」
「いや、今、状況を華に聞いたら、希々歌ちゃん、あいつのこと好きだったって言ってたから。何か起きるかもしれないじゃん」
「何か起きてほしそうな口調ですねー、天野先生」
「そんなことないよ。めちゃめちゃ心配してるだけだよ」
「はははは。いや、今、隣にいるのが軽薄な天野先生で良かったです」
「は?」
「最悪なパターンを軽々しく口に出してくれたほうが、バカバカしい考えだなって気がしますから」と、腰をかけた。

「へえ。それは信じてるってこと?」
「信じてるとか言うより、好きなんですよね。顕も若槻の事も。ただそれだけです」と答えた。

でもと溜め息を吐く。
「それとは別に、恥ずかしさが止まらないです」
「恥ずかしさ?」