甘いだけの恋なら自分でどうにかしている


「知らねーよ。まず、男の考えや行動が同じであるという前提で質問するのをやめろ」
「でも一般的な意見として、どういうものか知りたいっす」
「本人に聞け」
「怖くて聞けないっすよ。だから課長に聞いてるんす。はっ、課長に聞くほうがレベルが高かったっす」
と急に中村が我に返ったので、ちょっと面白くて笑った。

「何が怖いんだよ」
「え……」
「そこに答えがあるんじゃないのか」
「……答えっすか」
「まあ、俺は知らないけど」とグラスに口をつけた。

中村は少ししんみりした表情をして、テーブルに視線を落とした。
自分自身に何か訊ねているようにも見えて、私は口を挟まなかった。

トイレと顕が離れて
「加賀っちと友達でいられなくなるのが怖かったす」
と中村が口を開いた。
その一言で、彼女が今までの関係を大事にしていたい、手放したくないと感じていることが伝わってきて、私は「うん」と頷いた。