甘いだけの恋なら自分でどうにかしている


「何が自然なのかわからなくなりました」と音をあげた。

遠い目をしているので、
「……だろうね。まあ今日の中村は面白すぎたしね」と思い出し笑いをしていると「おい」と後ろから顕の声がしたので振り向いた。

私より先に中村が反応して、「課長!」と手を挙げる。

「お疲れ様っす。来てくれたんすね。さすが小千谷さん」と言うけど、子供みたいな脅し文句を言っただけだ。来るとは思わず驚いた。

「くだらない話は終わったか」と私の隣に腰かける。

「くだらない話って、さすが課長」と恋愛相談したいと言ったことをくだらないことにされても中村はケラケラ笑っている。

かいつまんで事の成り行きを説明した後、
「好きじゃないのに、男の人ってキスする生き物なんすか?」
と中村は尋ねた。