先輩は、煙をふぅーっと吐いた。




「休み時間ごとに分けて吸いに行くようなことは、あってもおかしくない。しかし、それが日常化していたとしたら、吸い殻の処分だってきちんとするだろうし、たまにし忘れるとしても、メンソールばかりの吸い殻が残るわけがない。そう言いたいんだろう?」




「やっぱり! 先輩、犯人じゃないですよね?」




サラダ先輩は、悪びれもせず「まあね」と言った。




「じゃあ、なんでカナ先輩に自分が犯人だって言ったんですか?」




私は先輩に詰め寄った。自分がやってもいないのに、やったことにするなんて。




「だから言っただろう? 『もっとよくないことになる』ってね」




この言葉。先輩が犯人だったとしたら、自分に都合が悪くなるからって意味になるけど、先輩は犯人じゃないと認めた。




つまり、ここでの『もっとよくないことになる』は、先輩じゃない他の人にとっての意味で、しかもその他の人は、先輩にとっての大事な人か、或るいは、そういう立場であってはならない人……ん?




「つまり、それって、先輩は犯人を知っているってことですよね?」




サラダ先輩が頷いた。