私の向かった先は晴さんの家だった。




晴さんは売れない小説家だって言ってたから、この人の下で修業をすれば、学園祭までにちょっとはましな小説が書けると踏んだのだ。




「ちょっと待ってね!」




そう言って、晴さんは目をこすりながら階段の方へ向かって大声で、




「おーい! 公生! 二番目の女が迎えに来てるわよ、この浮気野郎!」




そう叫んだ。