私が私立瀬花高校に入学したのにはわけがある。




それは、「短歌部を復活させる」ことだった。




私立瀬花高校には、昔、『短歌部』が存在した。文芸部の管轄下に置かれていない、れっきとした部活だ。




私のお父さんは、その短歌部の部員だった。




しかし、その短歌部は、お父さんの代で廃部になったのだという。理由については私も知らなかった。




そこで、私が瀬花高校に入学して、お父さんの青春の場所、短歌部を復活させようと思った。