なぜ、サラダ先輩は短歌部に居座っているのか。




その答えを知るために、サラダ先輩がなぜ文芸部を辞めたか知る必要があった。もし、本気で短歌が好きなら初めから短歌部に入っていたはずだ。




でも、サラダ先輩が入学してきたときには、短歌部はなかった。だから、仕方なく同じ文学の文芸部に入部して、自分で短歌部を作った。または復活させた。ということも考えられる。




いずれにしても、短歌部のバックグラウンド。過去を知る必要がある。どんどん遠回りしているような気がするけど、その分、確信に近づいて行ってる気がするのも確かだ。




私は、文芸部の部室を出て、直接生徒会室へ向かった。




「あら、万智ちゃんじゃない! キャー! やだ、どうしたの?」




とりあえず、抱きつくのをやめてほしいと言い、私は、カナ先輩に時間はあるか尋ねた。




「そうねー。本当は生徒会の仕事残ってるんだけど……いいわ! 万智ちゃんとお話するほうが楽しいし、価値のある時間だもんね」




あははっ。私ってカナ先輩の中でどういう生き物なんだろう……。