サラダ先輩の言うことに反論ができない。完全に論破されてしまった。
短歌が好きでもないサラダ先輩が短歌を書かない理由、それは単純な話で、短歌が好きじゃないから書かない。競馬が好きじゃないから競馬をしない。煙草が嫌いだから煙草を吸わない。私に例えるとそんな感じで、本当に単純な話だった。
でも、それだったら尚更おかしい。
話が通らないのだ。
サラダ先輩は確かに、短歌が嫌いだって公言した。それも2回もだ。それじゃあ、なぜ……。
「サラダ先輩、先輩は、短歌が嫌いなんですよね?」
「別に嫌いとは言ってないさ。ただ、好きじゃないとは言ったかな」
そんなのは同じことだ。いや、同じことじゃなかったとしてもどうでもいい。
そんなことは今、どうでもいい。
「じゃあ、短歌が好きじゃないサラダ先輩は、なぜ、短歌部にいるんですか?」