サラダ先輩の見解が正しければ、あと33分で瀬花高校がドーン!




しかも、その爆弾がどれだけの威力があるのかわからない。




「ど、どうするんですか! サラダ先輩! あと33分しかないじゃないですか!! このままじゃ、この作品終わっちゃいますよ!? 『大変短い間でしたが、ご愛読ありがとうございました。椎名晴先生の次回作にご期待ください』になっちゃいますよ!?」




「なんかよくわからないけど、とりあえず、冷静に分析してみようよ。そうだ、コーヒー淹れてくれないかな?」




え? 何この人。地球最後の日になったとしても、学校が休みだからって、一日中寝て過ごすタイプの人?




「コーヒーなんかいいですから!! 早く爆弾見つけないと……そ、そうだ! 爆弾ですよ! 爆弾を見つけさえすれば、助かるんじゃないですか? ほら、解除の仕方が書いてありますし」




私は、予告状の『解除の方法は赤いコードを切るだけという、高校生でも作れるシンプルなもの』と書かれた場所を指差した。




「そこなんだよねー。普通、本気で爆破しようとしてる人が、わざわざ解除の仕方まで予告するかい? 普通」




私と同じように煙草で指示しながら、サラダ先輩が言った。




「それだけじゃないよ。これには、不自然な点がいろいろとあるんだよ。まず、この予告状がなぜ、階段に落ちていたかも気になるね。予告なら堂々とわかりやすいところに置くよね、普通。例えば、生徒会室とか」




確かに、サラダ先輩の言う通りかもしれない。




目的は、学校を爆破することじゃなくて、あくまでも『学園祭の中止』だ。




ここでは、爆破は、脅しであって、本来の目的とは違う。




つまり、この予告状が誰かの目に留まりやすいところにしっかりと置いていないといけない。予告状に気付かれないまま、爆破してしまう恐れがあるからだ。




それに学園祭の中止をかけての爆破にもかかわらず、丁寧に解除方法まで書いてある。まあ、これが正しい解除方法かどうかはわからないけど。