ていうか葉月。
あのイチゴオーレを私が投げたことにまだ気づいてなさそう。
当然、なんであの男子が突然振り返ったのかもまだわかってない様子。
おどおどしてるだけで、謝ろうともしない。
男子の足元を見ればすぐに何が起こったかわかるのに、テンパりすぎて見ようとしてないからなぁ。
……せっかく、私が会話のチャンスをあげたのに!
すると、ようやく葉月はここで私がいないことに気づいたようだ。
「紅花ぁ、どこにいるの?」
そして、その言葉を葉月が発した瞬間。
あの男子はこちらに向かって歩いてきた。
…おっ?
これはある意味チャンス!?
私は電柱の影から葉月を見守った。
