「獅朗、そちらのお嬢さんはこないだのお嬢さんだね」

「はい」


獅朗の少し後ろに居た私は嵐のお爺様に「こないだは失礼しました」と頭を下げた。


「いや、良いんだよ。気にしなくて。で、今日は二人で会いに来たのか?」

「はい。嵐、居ますか?」

「自分の部屋に居る」

「分かりました」


獅朗は頭を下げ勝手に嵐の家の廊下を歩き出した。
そして、突き当たりにある階段を上って「一番奥の部屋が嵐の部屋だ」と一番奥を指差した。


「条件」

「分かってる。余計なことは聞かない。言わない」

「それともう一つ」

「私は獅朗の彼女」


獅朗が出した条件を口にした。