Heaven~第三章~

「すぐ戻る」と嵐は家の中へ入って行った。

そしてその言葉通り嵐は10分も経たないうちに車へと戻って来た。


「早くない?」

「何時ものことだからな」

「それにしても……わざわざ呼びつけておいて」


嵐は何も答えず「出してくれ」とだけ言った。


様子が少しおかしい。
悲しいと言うか、切ないような顔。
今まで見たことのない嵐の顔。


ほんの数時間前まで、気にいらないからとケンカをしていたとは思えなかった。


「なぁ、椿」


窓の外に視線を向けたまま私に声をかける。


「何?」

「獅朗と会ってないのか?」