「えっ? 知り合い?」

「うん。」

「マジか?」

「すげー嬉しい。こんな所で会えるなんて信じられない。」


驚きながらも面白がってる風の須賀くんと、溶けちゃいそうに優しい笑顔を浮かべる匡史。

どちらにも戸惑ってしまう私は、安易に言葉が出せない。


正直、匡史にこんなに嬉しそうな顔をされるとは思っていなかった。

何故なら、決してステキな思い出になるような別れ方じゃなかったし、何年も会っていなかったし、匡史にとってイイ彼女だった自信もない。


なのに、どうしてそんなに嬉しそうに見つめるの?

私が今、好きなのは、匡史のすぐそばにいる男の子なんだから。

そんなのは、困るよ..........


「え、どこの? いつの知り合い?」

「高校の時。」

「へぇ、すげー。本当にお互い、ここで働いてるって知らなかったの?」

「うん。だから、マジで超嬉しい。」

「高校の時、同じクラスとか? あ、じゃなくて、もしかして.........?」

「そう!! そうなの!! 一年と二年が同じクラスだったんだよね〜!!」


って、やっと出た言葉がこれとか、私、サイテー。

でも、お願い。

このテンションの高さで気付いて、匡史。

好きな人の前で、いきなり過去の恋愛をバラされるほどの覚悟はまだ出来てない。