新しくできる大型ショッピングモールの中に大手のスーパーが入ることは聞いてたけど、担当エリア内にさらに大型店が2店舗も出店しちゃったら、超が付くほど忙しくなるに決まっている。

きっと外回りばっかりになっちゃうだろうし、一緒にいられる時間も減っちゃうし、何より須賀くんがキツそうだから、決して喜ばしくはない話だ。


なんでわざわざそんなに密接して建てるんだろう、と思ったのも束の間。

グループ会議が始まってすぐ、その疑問は解決した。


すべて須賀くんのエリア内と言えど、他の営業マンとの担当エリアの境目付近に距離を置いて3店舗、しかもスーパー、ドラッグ、ホームセンターと、すべて業態が違うらしい。

こんな風に取り引き先が多岐に渡るのも、各種洗剤に始まり、シャンプー、入浴剤、オムツに化粧品まで、トイレタリーや美容用品を幅広く扱う総合化学メーカー「七星堂ラボラトリーズ」の販売会社ならではなんだろうけど。


業態が違えば単純に競合するのとはまた趣旨も変わって来るし、こういうケースは十分あり得る。

さらに言うなら、工場跡地もその社宅跡地もあるエリアだから、大型マンションの類が建てば、人の流れも大きく変化して行く。


そう考えると、各社とも急激な人口増加を予測しての意欲ある出店なのかな。

となれば、ドラッグの小型店なんかもちょこちょこと増えて行くだろう。

どうやら今季は忙しくなりそうだ。