君を選んだから

私の手土産の他にも果物やら焼き菓子やらが並んだ豪華なティータイムは、家族の皆さんからの質問攻めに会いながらも、和やかに終了した。

須賀くんの好きなところなんていくらでも言えるし、馴れ初めだって同じ会社で机を並べてる以外の答えがないから、意外とチョロいもの。

悪態を吐きつつ、それらしいことを言ってゴマかす須賀くんに感心すると同時に、所詮、ニセ彼女にしかなれない自分がちょっぴり切なくなったけど。


お茶の後は、お母さんには休んでもらい、陽奈さんと並んで食器を洗った。

こうしていると、気分だけはすっかりお嫁さん。

微妙に下がったテンションも、再びゆっくり上がり始める。


「陽奈さんと須賀くんって、どのくらい前から知り合いなんですか?」

「え〜とね、もう四年くらいかな? 」

「結構長いんですね。」

「うん。最初はね、もうちょっとチャラい感じだったんだよ。」

「ふふふ......ホントに?」

「でも、郁海くんって、昔から結構モテてた。」

「そうなんですか?」

「だって、カワイイもカッコいいも両方あるタイプだし、何より人当たりが良くて優しいじゃない? バイト仲間にも人気あったし、郁海くん目当てで通ってたお客さんもいたんだよ。」

「へぇ、そんなのまったく初耳です。」