君を選んだから

正直、須賀くんの言ってることはまったくわからない。

わからないし、理解もできないけど、それって要は究極の片思いなんじゃない?


だいたい、戦う前から諦めなくちゃいけない恋って、どんな恋なんだろう。

上手く想像はできないけど、それがものすごく辛いことだけはわかる気がする。


どうしてそこまでして、そんな恋を選ぶのかな?

須賀くんのことを本気で好きになってくれる女の子なんて、いくらでもいるでしょ。

好きで好きで好きでたまらない子が、すぐ隣にもいるんだから.......


そう思ったら切なさに耐え切れなくなって、目が潤んで来てしまった。

やだ。ここで私が泣くとか、おかしいから。

須賀くんに変に思われちゃうよ。


私に異性として興味がないことくらい、ずっと前から知ってたじゃん。

今まで隠し通して来たのに、ここまで来て何やってんのよ.......


「お前が泣くことないだろ。悪いのは、ケジメつけられない俺なんだから。」

「..........。」


その言葉と同時に、須賀くんの手のひらが私の頭に触れた。

そして、軽くポンポンとすると、俯き加減になっていた私の顔を覗き込み、ニッコリ笑って見せた。