君を選んだから

窓の方を見つめ、考え込んでる須賀くんを見ているだけで、胸が苦しくなる。

好きな人のすぐそばにいて、真っ向からこんな質問しなくちゃいけない私って何なんだろう。


知りたいけど、その答えが怖くてたまらない。

なぜなら、それが私じゃないことだけはハッキリわかってるから.......


「いるって言えばいる。いないって言えばいない。」

「え、何、それ？」

「いなくはない.......けど、いないのと同じ。」

「わかんない.......。」

「わかんなくていいよ。自分でもどうしたいのか、よくわからないから。」


納得行かない。

心臓が爆発しそうな勢いで聞いた質問に対して、この答え？

意味わかんないよ。

私、からかわれてる？


「実在する人？ 女性なんだよね？」

「ははははは.......面白いこと言うね。そりゃ、そうだよ。俺も正常な男なんだから。」

「..........。」

「とにかく、努力したところで手に入らないし、思いが届くことも叶うこともない。だから、俺の気持ちが整理できた時点で終了。」

「ってことは、片思い？」

「そうなのかな。」

「諦めちゃうの？」

「そういうんじゃないんだよ。最初から戦ってないっていうか.......。」

「ますます、わかんない。」

「だから、わからなくていいって。」