君を選んだから

「約束は守らないとダメなんだろう?だから、今日は何が何でも誘おうって決めてた。」

「そうなの?」

「本当は自分から切り出したかったんだけど、昨日は助かっちゃった。お前とちゃんと話せたから、今日のハードルがだいぶ下がった。」

「そんなこと、考えてたんだ。すごく嬉しい。本当にありがとう。」

「あぁ、喜んでくれて良かった。これで安心して言える。」

「..........何を?」


須賀くんは真っ赤な顔になって、一度、下を向いた。

そして、深呼吸してから、真っ直ぐ私と目を合わせた。


「お前が俺を選んでくれたように、俺にもお前を選ばせてほしい。」

「..........。」

「俺はお前が好きだ。これからも、ずっとそばにいてくれる?」

「..........うん。」


震える声で、何とか返事をして、須賀くんの胸に飛び込んだ。

メイクなんて、もうどうでもいい。

溢れる涙が止められない。


「遅くなってごめんね。待たせ過ぎだよね。でも、いっぱい待たせた分、うんと大事にするから。」

「うん.........。」


確かに、誕生日に約束はしたけれど、こんなに素敵なオプションが付いて来るとは、思ってもみなかった。

ニセの彼女は、ついに本物の恋人になった。


何があっても、私はずっと須賀くんのそばにいる。

どんな須賀くんだって、受け入れる。


だって、私は須賀くんを選んだから。

あなただけを愛してるから..............