でも、そんな風に気を揉む機会も、これからはグっと減るんだろう。

須賀くんとは、離れ離れになっちゃうから。


仕事で評価されるのは嬉しいけど、私が今まで楽しく働けてたのは、いつも須賀くんがそばにいたからだ。

気がぬけちゃうようなフニャフニャの笑顔がいてくれなかったら、こんなに頑張れなかったはずだもん。


なのに、これからどうしよう。

もう甘ったれた声で何かお願いされることも、ないんだよね。

思わず守ってあげたくなる人も、もういなくなっちゃうんだ。


入社してからずっと、朝、会社に来たら、須賀くんがいるのが当たり前だった。

最近は気持ちが通じてる気がして、今までよりも、その当たり前に幸せを感じてた。


離れるだけでも寂しくてしょうがないのに、こんな悲しいお別れってあるのかな。

つまらないことでケンカをしたままじゃ、今までの3年間がなかったことになっちゃうよ..........


そんなの絶対、イヤだから。

早く須賀くんに謝りたい。

だけど、どのタイミングで、どう謝ればいいのかな。


やっぱり悪いのは私だよね。

後ろめたいと思いながら、匡史のアパートに行ったんだもん。

少しでもそう思ったなら、やめるべきだったのに。


しかも、私はそれを隠してた。

面白くないと思うのは当然だよ。

何か上手に謝るキッカケがほしい。