匡史は私にペンダントを付けると、満足そうにニッコリ笑って見せた。

そして、まるで私の存在を確認するかのように両腕ですっぽりと包み込み、しっかり抱きしめた。


「もう会えないと思ってたのにこうして会えたから、俺、絶対に後悔したくないんだ。」

「..........。」

「あの時は子供過ぎてわかってなかったけど、大切なものは、一旦、手を離したら、もう手に入らなくなっちゃうんだよね。だから、素直に気持ちを伝えて、ちゃんと捕まえておかなくちゃダメだと思うんだ。」

「..........。」

「あおいには、今、ずっと見てる人がいるだろ。」

「え.......?」

「だから、後悔する前にきちんと伝えておきたかった。今日、こういうチャンスがあって良かった。」

「..........。」

「愛してるよ、あおい。誰よりも。.........だから、俺だけを見て。」

「..........。」


匡史は腕を緩め、切なそうに私を見つめると、とても丁寧にキスをした。

ちょっと、嘘でしょ?

こんなことって...........


とても驚いているはずなのに、気付けば無抵抗のまま、再び匡史に抱きしめられている。

嬉しいの? 迷ってるの?

自分の気持ちが、もうよくわからない。


いろんなことがあり過ぎて、心がショートしちゃったのかな?

私は今日、一人でここに来て良かったのかな..........