君を選んだから

そう言えば、元旦に匡史からメールが来ていた。

「あけおめ」で始まる高校生みたいに元気なメールに、思わず頰が緩む。


新店だから、初売りも大々的で大変だろうな。

あそこのお店なら、もれなく売れちゃうに決まってるし。


12月はほとんど休んでなかったみたいだし、大丈夫かな。

ずっと勤務だから大晦日もお正月もアパートで一人だろうし、疲れが溜まる一方だと暗い気持ちになっちゃうよね。

いくら元気が取り柄の匡史だって、身体を壊していないといいんだけど。


その予感は的中した。

仕事始めの日に早速会いに行こうと思って電話をしたら、匡史は休んでいた。


聞けば、疲労が溜まって体調を崩し、昨日、心配した店長に早退させられたそうだ。

今日はもともと休みだったから、店のことは気にせず、ゆっくり休めと言われているらしい。


様子を見に行こうかな。

どうしようかな。

でも、私が行っちゃってもいいのかな?


大丈夫かな。

倒れてないかな。

こういう時に冷蔵庫が空っぽとかだったら、虚しいよね。


だけど、それは十分あり得るな。

男の子の一人暮らし、しかも、毎日、朝から晩まで働いてるんだから、きっと買い物とかできないよね。

熱を出して寝込んでたりしたら、本当に食糧、切らしてたりするんじゃないの?


そんなんじゃ治らないよね。

本当にどうしてるのかな..........


てか、もう、そんなに気になるなら、行ってあげればいいじゃん。

行ったらきっと、喜んでくれるだろうから。