君を選んだから

クリスマスは仕事で、夜は主任をはじめとする営業所内の早く帰る必要のない組と、いつもの焼き鳥さんに行った。

若い大将が女の子だけにケーキをサービスしてくれて、ちょっとだけテンションが上がった。


大晦日には実家に帰り、2日までは家族と過ごした。

その間に、高校生時代のアルバムやらプリクラやらを漁った。


と言うか、匡史の話をしたら、すぐに母がその話を持ち出した。

大量にあるけど、まさかあれを全部とっておくつもり?って。

そうだったかなと手を付けてみれば、あどけなさの残る匡史が溢れんばかり。

少しずつ思い出して、甘酸っぱい想いで胸がいっぱいになった。


こんなにず〜っと一緒にいたんだ。

そんなに大好きだったんだ。

そうだよね、初めて「愛してる」っていう感情を教えてくれた人なんだもん。


須賀くんが言ってたように、匡史の中ではまだ完全に終わってないのだとしたら、この頃みたいに素直な「愛してる」が残ってるっていうこと?

それも、匡史にならあり得るのかな。

匡史はいつも真っ直ぐだもん。

そこは今も変わってないし、そういうところも好きだった。


大切な同じ時間をたくさん一緒に過ごして来た人だから、正直、私だって匡史を愛しいと思う。

だけど、その気持ちを須賀くんへの想いとは比べられない。


理由なんてどうでもいい。

ただ好きだけじゃなく、ずっとそばにいて守ってあげたい。

須賀くんからは、離れちゃいけない気がするから...........