< 揺れる想いを隠せない >



北斗七星のマークが付いた巡回車のドアに手を伸ばそうとしたら、いきなり須賀くんが、正面から私の両肩を掴んだ。

えっ?と思ったら、今度は私の顔をじ〜っと見つめ、静止している。


「なっ、何!?」

「あ、わかったぁ。何が違うんだろうって、さっきから気になってたから。」

「え? 何が?」

「いつもより大人っぽく見えるから何だろうって思ってたら、メイクだ。」

「あぁ、うん。エターナルに負けちゃうから。」

「あ、そっか。だから、いつもよりしっかりメイクしてるんだ。どこが違うとか詳しくはわかんないけどさ、何か今日、キレイ。」

「へっ? そ、そう。」

「お前ってキレイよりはカワイイ系かなって思ってたけど、本当はこういうのも似合うんだね。何か新鮮。」

「ホントに?.......ありがとう。」


突然、そんな体制取られただけでも心臓止まりそうになってるのに、言葉でも堕としにかかって来るなんて、どうしたの、 須賀くん!?

疲れた身体に「効き過ぎるおクスリいただいてありがとうございます」っていう気分ではあるけど。


まさか、匡史と張り合おうとか..........

そうは思ってないよね?

そんな必要ないか。

多分、ただの気まぐれだよね。


って言うより、たまに顔を出す天然の方かな。

本人は何の意図もしてないのに、周りをキュンとさせちゃう方。