「キレイな涙だね。本当に本気で好きなんだね。」

「..........。」


こいつは本当に、どこまでも俺の味方でいてくれるんだな。

しかも、一緒にマジ泣きしてんのかよ。


なんでだよ。

こんな情けない話してるのに。

いくら何でも、それは優し過ぎるだろう...........


「何かホントごめん。女々しいとこ、見せちゃった。」

「そんなことない。人を好きになるのは素敵なことだよ。」

「ありがとう。お前がそばにいてくれて良かった。お前がいなかったら、俺、今頃、もっと病んでたかも。」

「..........。」

「でも、もう泣くなよ。これは俺の問題なんだから。涙はお前の好きな人のために取っておけよ。」

「..........だって。」

「頑張って、お前は好きな人を必ず手に入れろよ。そんで、俺の分まで幸せになってくれ。」

「..........。」


最初は目を潤ませている程度だったのに、その時にはもうあいつの涙は止まらなくなっていた。

あまりに泣き続けてるから、心配になって、公園の脇に車を停めた。


俺なんかのためにこんなに泣かせちゃって、ごめん..........

そう謝るつもりで頭に左手を置き、軽くポンポンとした。

すると、突然、あいつが力いっぱい抱きついて来た。


驚いて声も出なかった。

感情が高ぶってるとは言え、今まで三年近く一緒にいたのに、こんなことをするあいつは初めてだったから。