結局、私はお猪口に4杯の焼酎を飲むはめになった。
頑として王様の命令には従わなかったが、さすがにお酒が回ってふらふらになってしまった。
「お手洗い……行きます……」
這うように座敷を抜け出し、通路に降りた瞬間、クタッと座り込んでしまった。
「大丈夫?ついてくわ。」
先輩の1人が私を支えて歩かせてくれた。
「けっこうです……」
触らないでください、と言ったつもりだったが、目も口も、自分の意志を裏切って閉じていく。
「危ないって。いいから。」
左右からと背後からいくつもの手が伸びてきて、私をガッチリとホールドした。
……ちょっと……変な感じ。
引きずられるように通路を進んでく。
「ありがとうございましたー。」
お店の人の声に、驚いて顔を上げると、トイレではなくお店の玄関。
何で?
「……このお店、外にもお手洗いがあったんですか?」
真冬の夜の空気は冷たくて、ぼんやりした頭が少しクリアーになってきた。
4回生の先輩が3人、今まで見たことのない下卑た笑顔をしていた。
「橘さん、これじゃ帰れんやろ。俺ら、送ったるわ。」
「……けっこうです。」
私は彼らから離れようとしたけれど、完全に両腕と腰をつかまえられていて、逃げられない。
これって、まずいよね?
「でもしんどそうやで?うち、近いし、休んで行きーな。」
いわゆる、お持ち帰り、って状況?
「けっこうです。」
もう一度そう言ったけれど、彼らはますますニヤニヤと笑いながら、私の身体に手を這わした。
「大丈夫やって。嫌なことはせえへんし。一緒に遊ぼう。」
「嫌です!」
もうっ!!!
私はお店のほうを振り返って叫んだ。
「助けてくださいっ!ねえっ!」
先輩がたは私がお店の人を呼んだと思ったのだろう。
慌てて私の口を手で塞いだ。
その手に噛みつこうか、足を踏もうか、逡巡してると、やっと私の待っていた人が来た。
とっくにお店を出て待ち構えていたらしい。
「クソガキどもが、何やっとんねん。」
泉さんが、尖った顔に青筋を立てて怒っていた。
「いふひふぁう!」
……泉さん、と言ったつもりだったけれど、口を押さえつけられていて上手く言えなかった……もしかしたら酔いもあったのかもしれない。
泉さんは、威圧感たっぷりに近づいてきた。
「その馬鹿女(ばかおんな)から手ぇ放せや。そいつは、俺の女や。」
そう言いながら泉さんは、私の右腕を捕まえていた先輩の胸ぐらを掴み上げた。
他の2人も慌てて手を放したので、私はその場にへにゃっと座り込んだ。
頑として王様の命令には従わなかったが、さすがにお酒が回ってふらふらになってしまった。
「お手洗い……行きます……」
這うように座敷を抜け出し、通路に降りた瞬間、クタッと座り込んでしまった。
「大丈夫?ついてくわ。」
先輩の1人が私を支えて歩かせてくれた。
「けっこうです……」
触らないでください、と言ったつもりだったが、目も口も、自分の意志を裏切って閉じていく。
「危ないって。いいから。」
左右からと背後からいくつもの手が伸びてきて、私をガッチリとホールドした。
……ちょっと……変な感じ。
引きずられるように通路を進んでく。
「ありがとうございましたー。」
お店の人の声に、驚いて顔を上げると、トイレではなくお店の玄関。
何で?
「……このお店、外にもお手洗いがあったんですか?」
真冬の夜の空気は冷たくて、ぼんやりした頭が少しクリアーになってきた。
4回生の先輩が3人、今まで見たことのない下卑た笑顔をしていた。
「橘さん、これじゃ帰れんやろ。俺ら、送ったるわ。」
「……けっこうです。」
私は彼らから離れようとしたけれど、完全に両腕と腰をつかまえられていて、逃げられない。
これって、まずいよね?
「でもしんどそうやで?うち、近いし、休んで行きーな。」
いわゆる、お持ち帰り、って状況?
「けっこうです。」
もう一度そう言ったけれど、彼らはますますニヤニヤと笑いながら、私の身体に手を這わした。
「大丈夫やって。嫌なことはせえへんし。一緒に遊ぼう。」
「嫌です!」
もうっ!!!
私はお店のほうを振り返って叫んだ。
「助けてくださいっ!ねえっ!」
先輩がたは私がお店の人を呼んだと思ったのだろう。
慌てて私の口を手で塞いだ。
その手に噛みつこうか、足を踏もうか、逡巡してると、やっと私の待っていた人が来た。
とっくにお店を出て待ち構えていたらしい。
「クソガキどもが、何やっとんねん。」
泉さんが、尖った顔に青筋を立てて怒っていた。
「いふひふぁう!」
……泉さん、と言ったつもりだったけれど、口を押さえつけられていて上手く言えなかった……もしかしたら酔いもあったのかもしれない。
泉さんは、威圧感たっぷりに近づいてきた。
「その馬鹿女(ばかおんな)から手ぇ放せや。そいつは、俺の女や。」
そう言いながら泉さんは、私の右腕を捕まえていた先輩の胸ぐらを掴み上げた。
他の2人も慌てて手を放したので、私はその場にへにゃっと座り込んだ。



