「結婚しよう」

突然すぎる和希からのプロポーズに美羽はきょとんと見つめた。
時間はそう18時を回った頃だった。珍しく和希は洒落た所でと美羽をディナーに誘っていた。

「和希?…何?」
「あのさ……だから…」
「……本と?」
「あぁ。」

そう答えるとそっと自分と美羽の間にリングケースを出した。

「俺と結婚して下さい」

再度頬を赤らめながらもまっすぐと美羽を見つめて和希は伝えた。言葉に詰まらせながらもリングケースを両手で包み込むように受け取った美羽。

「ありがとう…和希、私で…いいの?」
「美羽がいい。美羽じゃなきゃ意味がないよ。」