「ありがと。」

リビングのソファに座り込む美羽を見てため息を吐いた乙夏。

「うーちゃん食べよ?」
「…ん……」
「はい!」

そうしてプリンを手渡す乙夏は先にパクリと1口食べた。それを見て美羽もそっと1掬い口に運んだ途端、ポロリと涙がこぼれた。

「うーちゃん?」
「ごめんね…ごめん…いっちゃん…」
「どうした?んー?」
「……ーッ」

プリンを持ったまま涙が頬を伝う美羽からプリンを取り、そっと抱き寄せた乙夏は頭をなでた。

「ゆっくりで良いよ、大丈夫。話ならいつでも聞くし。プリン食べたくなったらいつでも買ってくるから。大丈夫だよ、うーちゃん…」