『最後さ…逢いたくないって。絶対泣かせるから…どうしても無理だからって』
「意味…解んないよ…アル…連れてきて…アルなら出来るでしょ?」

そう言いながらも美羽はベッドを降り上着を着て屋上に向かった。サァ…と心地よく風は吹き空も澄んだ青を見せてくれた。

「和希…和希……」
「お嬢…」

そのピエドラの呼びかけに美羽はくるりと体を変えた。しかしそこにはピエドラしか居なかった。

「な…んで……」
「ごめん…無理だった」
「どうしてよ!だって…そんなやだ…」

ピエドラに近寄り胸元を叩きながら泣きそうなまま美羽はピエドラに何度も何度も問いかけていた。