「あ、うーちゃんごめん。おトイレ」
「行ってらっしゃい!」

そうして小さく手を振り見送った。

『お嬢…』
「え、アル。どうしたの?」
『気をつけろ…何か嫌な予感がする…』
「嫌な予感って?いっちゃん?」
『いや、あの子じゃない。何だろうな…胸騒ぎがする。』

そう言いながら乙夏を待っていた美羽。遠くから乙夏が姿を現した時、ピエドラは呟いた。

『安心しろお嬢。やっぱりあの子じゃないよ。』
「ならいいけど。来たから黙っててね」
『あの子には俺の声聞こえねぇよ。』

笑いながらも声を忍ばせたピエドラ。少し気になりながらも美羽は乙夏と一緒に買い物を続けた。