「カロン。引き寄せ合う絆は止められない。でもアルバ・ピエドラは何より今はティエラの倉田美羽に心と存在を受け渡そうと考えている。そうだろう?」

何もかもお見通しと言わんばかりにヌエバはジェーナに伝えた。さっきまでの諭すような口調から一転、穏やかに、ジェーナを守るように…柔らかな表情のまま話を続けた。

「倉田美羽の存在、笑顔を守るために今アルバ・ピエドラは存在して居る様なものだろう。ならば自身の消滅も厭わない位の覚悟がある。それなら今、この場でティナに手を出し、泣かせることに意味があるのか…それだけなんだ。手をかけた分消滅後の苦しみは増す事も知っているだろうに」