春馬のことを考えてたら自分のことほんま嫌になってきた



ポンッ


春馬のことを考えていると、あたしの頭に何か当たった



「いった」


なんやろ…


床を見渡してみると、そこに落ちてたのは見慣れた消しゴム。


またか


薄々あいつやとは気づいとったけど



「痛いねん!あほ拓人!」



あたしは前の席に座る拓人に消しゴムを投げ返す



最近は消しゴム投げてくることなく大人しく授業受けてたくせに、なんで今日に限って投げてくんねん





「お前が泣きそうな顔してるからやん



見てるこっちも気持ちどんよりしてきていい迷惑やわ!」


「は?


じゃあ後ろ向かんかったらええやん!


あんたが後ろ向かんかったらあたしの顔なんか見んでええやんか!」



あー、この会話久しぶり



ここ二週間ぐらい拓人があたしに構ってくることなかったのに



「それはっ……


後ろから気持ちオーラ出してるからやんけ!」


…こんなめちゃくちゃな言い訳をできることが逆にすごい



「おかしいやろ!


そんなめちゃくちゃなこと言わんといて!」