好きとか絶対ありえへんっ

「なあ…」


拓人の声はビクッとするほど低い声。


「どうしたん…?」


あたしはできるだけ冷静を装って言う


「春馬とより戻すん?」


「え?」


あたしは顔を上げて拓人を見る


「だから、春馬とより戻すかって聞いてんねん」


拓人は、熱があるせいか、目が潤っててそれが妙に色っぽい


「俺と春馬、どっち選ぶ?」


拓人は弱々しい声で言った


ドキドキドキドキ


おかしい。最近のあたしは絶対おかしい


それにこんな質問



前までなら、迷わず春馬って言ってた



やのに今は


「そんなんわからんねんもん…」


こうやって答えてる。


あたしは確実に、拓人に揺らいでる…