家を出て、
電車に乗ること1時間、バスに乗ること20分。
「小山公園前ー。小山公園前ー。」
降車ボタンを押して、ピッと定期をかざした。
運転手さんにお礼を言ってバスを降りた。
「ここに来るの・・・久しぶりかも・・・。」
家からは結構距離があるため、年に2、3回しか来れない。
最近に来たのは、去年の秋だったかな。
久しぶり。
鞄からスマホを取り出し、中学からの親友である、
水口美奈(みずぐちみな)にLINEで
『優真の所行ってくるから今日は遅刻する。先生に言っといてくんない?』
返信は水を汲んでいる時に来た。
『了解。ゆっくり上野君と話してきな?ちゃんと掃除もしてあげなよ?笑』
美奈は私の事情を知ってくれている。
私はあるお墓の前で立ち止まる。
《上野家之墓》
来る前に買った色とりどりの花と、線香を立てた。
それからしゃがんで手を合わせた。
「優真・・・来たよ?久しぶりだね。3年も経ったよ・・・優真が・・・優真がいなくなっちゃってから・・・3年・・・3年も経ったんだよ・・・優真がいなくて寂しい・・・けど泣いてないよ?笑って過ごせてるよ。けど・・・ね?ここに来たら・・・ふっ・・・ふぇっ・・・ふぇぇ・・・」
私はお墓の前で泣いた。久しぶりに泣いた。
泣いてはいけない。そう思っていたから。
何分くらい泣き続けただろうか。
人前では絶対泣かないのにここへ来たら
安心して、優真のことを思いだして、毎年のことながら泣いてしまう。
そろそろ泣き止まなきゃ。
また来るね優真・・・。いつまでも大好きだよ。