あんなことがあったあと私は用事があって、行くはずだった高校の校門前に立っている。私のこと覚えていてくれてるのかなとか、いまでも翔に好かれているのかなとかそんな期待を胸に。

周りは綺麗な花が花壇に咲いていて、針葉樹が並べられている。アスファルトの綺麗に敷き詰められている玄関はすごく寂しげ。

もうみんな帰ったのかなぁ....

そんなことを思いながら近くにあるベンチにボケーと座っていた。

     ♢

肌寒くなりあたりは薄暗くなってきた。時計を見ると5;45分。
30分くらい立ったのかな。もう、帰ろうとしていた時。突然。

『よおっ。』

よくみると、少しだけやけた優だった。優は私が翔と喋れなくなって悩んでる時にいつも相談乗ってくれていた子で翔よ幼なじみ。離れる前まではずっと相談していたの。

 「お久しぶり、優。」
 

 そう言ってほほえむと優は少し目をぱちくりして近寄ってくる。近くに立つ優を見ると身長がすごく伸びてて見上げるような形になっている。


 『ーどうした?』
  「え?」