好きな理由。

    ーホームルームの時間。

翔の事を忘れられない一方で私は男バスの綾斗と付き合ってるんだ。その人を異性としては見れないけれど、少しでも前を向けるようにってそれもわかってて付き合ってくれてるんだ。
ま、少し大人にならないとって思ってる。でも、最近はハルというバスケ部のキャプテンもきになってたり...

一体全体どーしたんだろ!

席替えで運よく隣になった私とハル。
授業中も横しか気にならない。


 『ねー、ハル。』



 恋しいと思ってしまう。


 「んー?」
 

 ハルは私の気持ち気づいていますか?というか、返事してもらえると思っていなかったから返答に困る。



『ハル今日寒いね』
とっさに出た言葉。困ったときはやっぱりこれだ。天気の話題。

 「おぅ。」


 なんか喋ってー。

「菜摘の手は冷たいねー。」
『.....!?』
私の手はハルの手とつながっていたの。ハルにとっては意味のないものとしても私にとっては大事なもので。いつの間にか恋人つなぎになってたの。


「これなら、あたたかくなるかなぁ」


 不意打ちはずるいよ、ハル。

『....そーだね。』
「顔赤いけど熱でもあるの?」
『....!?』
繋がれていないもうひとつの手でおでこを触るハル。

「大丈夫?」
『平気です!』
「それならよかった。」
 手を離す。ちょっと寒い。

 

 私は誰を好きなのでしょうか。