好きな理由。

 -夏休み-

芽唯と街に出かけてみた。芽唯は片思いしているテニス部の子がいるんだけど、その子にフラレタノ。だから、失恋パーティーも兼ねての遊び。私はというと、バスケがあるという理由でデートがなくなったから。それで暇になった者同士の遊び。笑


 だったはずなのに.....

『翔まじおもしろーい』
『翔最高』

そんな声が聞こえてきた。まさかね、同じ名前なんてごまんといるんだから。芽唯と顔を見合わせて目でそう会話する。

それなのに、角を曲がったところで、見たくないものを見てしまった。

ーーーーーあの子。
 
翔の隣を並んで歩くあの子はボーイッシュなバスケ部の人。目がクリッとしてて背は低め。でも、翔の顔を見ていたらまずいということがわかる。

この中に流れる静寂。芽唯は怒りで震えていた。

するとあの子が口を開く。

『あの子が翔の言ってた彼女?』

『よろしくねっ!笑』

そんな言葉を言われても...。

その日から私と翔の間に溝ができた。