君があの子を好きなように
    私もずっと好きなのかな。
 



『おーい、ばすけやろーぜ』
『おー、やろやろ』


毎日の如く、2年1組の男子は運動場にかけていった。
私はそれを教室の窓から眺めている。
『好きだねー、バスケ』
「だよねー、飽きないのかなぁw」
いつの間にか隣にいた友達とそんな他愛無い会話をしながら窓に肘をつく。
 
  そこから眺めるあいつは、背は低いのにそれをドリブルのテクニックで上手に相手を交わす。
 シュッっとシュートが決まると嬉しそうに笑う。八重歯がちょこっと見えるのもすごく好き。
 きっと私はその笑顔にほれたんだよな、多分。そんな事絶対に誰にも言わないけど。
 すると隣にいた友達が
『翔ってすっごいモテるよねー。ほら、あれ。』とアイツを取り囲む女子の集団を指さした。
 おもわずためいきがでちゃう...。
すると隣にいた友達は
『ごめん、呼ばれてたんだった。』
と席を立った。
彼女の名前は山口夢羅。
 ぷっくりとした目に白い透き通る肌。血色のいい唇。自慢の友達。名前のとおりの私にはもったいない友達。

鐘がなる寸前に夢羅は戻ってきた。
『ごめんごめーん、菜摘。』
そう、私の名前は矢崎菜摘(やさきなつみ)。今の所吹奏楽部。子供が好きでずっとお世話したくなる。というより私自体が子供笑 周りからは天然って言われるけど自分ではしっかりしてるつもりw