その楽譜は


意識ははっきりしないけど、音だけは聴こえていた。
「まったく、無理して」
遼さんは呆れたように言って、わたしを車の助手席に座らせてくれる。
「あれ、友美…ちゃん?」
「遼さん、ご無沙汰してます」
なんだか新鮮だ。
この2人が話してるの、久しぶりなんだもん。
「よかったら乗ってかない?」
「ひゆりを乗っけて行ってくれるならそれで」
「ひゆりちゃんだってそう思ってると思うよ」
流石遼さん!わかってるねっ!?
わたしは軽く頷く。
「ほらほらっ!乗って乗って」
押し込むようにして友美を後ろに乗っける。
「ひゆりちゃん、辛かったら言ってね」
耳元で言ってくるからくすぐったい。
遼さんも悪戯っ子なんだから。