そう、生徒の苦手を突っつくことで苦手がなくなる。
わたしもそうだったな。
だって、お父さん、わたしの嫌いなゆったりした曲しか弾かせてくれないんだもん。
小学校低学年の時は泣きながらやってたっけ。
「…?」
やっぱり速水さんはコンクール優勝経験が少なくて普通だよ。
困った顔してるくらいだもんね。
「…じゃあ…、最後に弾いた曲教えてもらってもいいですか?」
「…エチュード」
あ、少し間が空いた。
ってことは、エチュード攻めでいけばいいんだな?
なんか、学校で人気者の速水さんを攻めていくなんてピアノでしかできない気がする。
ふふ、面白い。

