不器用な恋


1年前の6月。

俺と悠里と愛華三人で、

職員室前にいた。

俺が呼び出されて、二人は面白そうだからとついてきた。

職員室のドアを開けようと思ったら

扉が開いて、

息ができなくなりそうだった。

そこに山田瑠樹がいたんだ。

少し茶色い腰まである長い髪の毛に、ふわっとした前髪。

ぱちっとした目はすぐにわかるほど真っ茶色の瞳。

「…ごめんなさい」

そう、俺に謝る彼女はすごく綺麗だった。

「あ、大丈夫です」

そういうと、ぺこりと頭を下げていなくなった彼女。

その瞬間感じたんだ。

ああ、俺はあの子に一目惚れしたんだと。

彼女の瞳は綺麗な茶色だったけど

何も移さないその瞳は

寂しそうだった。