「あ、芙祐ちゃん。と、弥生くんだ」


って前からにこにこ手を振る、芙祐と似たような髪色したあいつ。


「慶太くん。ひとりできたの?」


「まさか。クラスのやつらとね」


桜木慶太。
最近芙祐にやたら絡んでるやつ。



「そっちは2人?」



「うん」



「もしかして付き合っちゃった……?」


「違うよ。フリー同士のお祭り」



ズバズバ切りやがる。


「あ、なんだ。びっくりしたー」



桜木慶太の嬉しそうな顔。
芙祐のこと、ホンキかアソビか知らねえけど。
……結構うざい。



「芙祐ちゃんどうせなら浴衣で来ればよかったのに。見たかったなあ」


「海の帰りだからね」


「海?2人で?」


って俺に聞くな。
なんだその目は。


「みんなで行ったんだよ」


良からぬこと考えんな。
俺はお前なんかと違ぇわ。