ぶくぶくぶく。
浮き輪の空気抜きは、あとひとつで終わり。
ヤヨが殆ど抜いてくれた。


やっぱり、ヤヨは器用。
要領いいなぁ。
ていうか。


「それ貸して。最後俺やるから」


こういうとこ。
いけめん。


「ヤヨちゃん、ヤヨちゃん」


浮き輪を水に押し込むの手伝いながら。


「なんだよ?」


伏し目がちなヤヨ、なんか可愛い。


「フリー同士、お祭りデートしようよ」


「……別にいいけど」


「やったぁ」


「つか、離していいから。俺がやるから」


あらあら、失礼しました。



潮で髪の毛べたべただけど。
お祭り、たのしみだなぁ。