「先生いないしとりあえず冷やそ。あ、この内線使えるかな」


「生徒が使うなよ」


勝手に冷凍庫から保冷剤引っ張り出すし。

勝手に固定電話で職員室に内線かけはじめるし。



今の印象。


「……自由人」

「なかなか出てくれないね?」


俺と向かい合う芙祐。
電話の奥では呼び出し音。



芙祐は受話器片手に、保冷剤を俺の頭に引っ付けた。


その距離は瞳の中まで見えそうなレベル。


心配そうに眉を下げて、
俺から目を逸らさない。
ピンクの唇は、少し開いてる。
呼吸してるだけ……。なのに。



マジでその顔で見つめんな。




芙祐から目をそらし、小さな手から保冷剤を取り上げた。



「自分で抑えれるから」



俺は今日も赤面を隠す。