【完】ぎゅっとしててね?

チャイム鳴っちゃった。


「ヤヨ、初めてのさぼりでしょ」


「あーあ、責任とれよ」


「ふふ」


なんか、楽しい。
久しぶりのヤヨ。



ベランダから景色を眺めながら
笑ってたら、ちょっと蹴られた。



「普通科どうよ」



ヤヨは遠くを見つめながらぽつりとつぶやく。



「みんな変わらないよ。でもヤヨが」


いないと……。



「俺が?」


「ヤヨが、いないと……数学の板書が本当に大変」



「あっそ」



嘘だよ。
拗ねないでよ。




「ヤヨがいないと、寂しいよ」



「そりゃどーも」



うん。
ヤヨと簡単に話せないのって
すごく寂しいよ。



「芙祐はあいつのこと引きずってんの?」


「そうだと思う」


「ふーん……」



空っぽの心は
あの日から、変わりないもん。