俺と芙祐ちゃんとの距離は、桜の木1本分。
「芙祐ちゃん」
いつものように、愛しい名前を呼んだ。
何回くらい呼んだんだろうね、俺。
「んー?」
芙祐ちゃんは花びらを空中でつかみながら、笑顔をこぼしてる。
楽しそうだね。
聞き返されるのは嫌だから。
はっきりと、そんな芙祐ちゃんへ。
「俺たちもう別れない?」
にこり、笑う。
俺ね、芙祐ちゃんの前でだけは
誰より優しくいたかったんだよね。
だからね。
円満に終わりたい。
平和主義の芙祐ちゃんも、そっちがいいでしょ。
芙祐ちゃんは花びらを捕まえようと宙に上げた手をすとんとおろした。
「……なに、言ってるの?」
芙祐ちゃんの顔から表情は消えた。
「芙祐ちゃん」
いつものように、愛しい名前を呼んだ。
何回くらい呼んだんだろうね、俺。
「んー?」
芙祐ちゃんは花びらを空中でつかみながら、笑顔をこぼしてる。
楽しそうだね。
聞き返されるのは嫌だから。
はっきりと、そんな芙祐ちゃんへ。
「俺たちもう別れない?」
にこり、笑う。
俺ね、芙祐ちゃんの前でだけは
誰より優しくいたかったんだよね。
だからね。
円満に終わりたい。
平和主義の芙祐ちゃんも、そっちがいいでしょ。
芙祐ちゃんは花びらを捕まえようと宙に上げた手をすとんとおろした。
「……なに、言ってるの?」
芙祐ちゃんの顔から表情は消えた。



