頭の中、整理するとか。
そんな経験今までなかった。



だれかを好きになるって
もっとシンプルなことじゃなかったっけ。




桜も満開になったころ。
お花見とライトアップに行った。



「芙祐ちゃん」



いつも通り優しい声で。
暗がりと人ごみにまぎれたあたしたち。




慶太くんは久しぶりにあたしにキスしてくれた。



「大好き」


あたしは毎日伝えてる。


慶太くんを不安にさせちゃ、絶対ダメ。


ヤヨのことが頭をよぎったら、
「アーアーアー」って頭の中で叫ぶようにしてる。








普通科。理系、大学進学クラス。


今日は数学の倍以上、
英語の宿題がいっぱい出た。


放課後は英文科に行って慶太くんに質問攻め。



「ありがとう。よくわかった」


ていうか、ネイティブ。
当たり前だけど英語ペラペラ。
もう本当に聴き惚れたから。



勉強道具を片付けて、今日も一緒に帰る。



廊下を歩きながら、
将来のこと話してみたり。
受験生っぽい。



「芙祐ちゃんは何学部に行きたいの?」


「恥ずかしいから内緒」


「恥ずかしい学部なんかないじゃん」


「だって落ちそうだし。慶太くんは英……」


文に、行くの……
って聞こうとしたとき。