翌日も、翌々日も。
委員の仕事は、各自の席でやってるの。



パチン……パチン……。



教室、こんなに広かったっけ。
空気、こんなに重かったっけ。
時間、こんなに遅かったっけ。



あたしの分、やっと終わった。



パチン……パチン……。
後ろからまだ音がする。



胃に、穴が、開きそう。



「じゃあ、お先に」


「じゃあな」



今日の会話も昨日の会話もこれだけ。



……だったのに。



「芙祐」



何で呼ぶの。


その声にごめんなさいする。


荷物をまとめる音で消えたふり。
聞こえなかったふり。




スクールバックを肩にひっかけて、教室のドアを開けた。



バタン。
閉めた音。
……響いちゃった。



あたしの気持ち。
テコでも動かないから。


ていうか動かさないもん。