印刷室。結局2人きり。
ヤヨと隣り合って、単調に紙を吐き出すコピー機を見つめる。


……。


無言。
この心地悪さに慣れたい。



慶太くんはあたしを100%で愛してくれてるんだから。
あたしの中で100%、全部慶太くんで満たしたい。



だからヤヨのこと、頭から放り出したいの。



「なぁ」「ていうかさ。席替えしたくない?」



ヤヨの話、遮って。
咄嗟に提案。


ヤヨと一番離れた席にでもなればいい。



「席替え?クジとか座席表とか……俺らがやるんだろ?」



嫌そうな顔。
そういうと思ったよ。



「あたしがやる」



「……。なら、すれば?」



「明日みんなに聞いてみるね」



コピー機、急げ。
早く終わらせろ。


ピ―――。


印刷完了。



「じゃあ、これあたしが持っていくから。ばいびー」



印刷物抱えて、教室に運んで。



すぐにUターン。慶太くんのところまで、急ぐ。




「慶太くん!」



英文科の教室に入ったらすぐ目に入る。
にこって優しく笑いかける慶太くん。



「帰ろっか」


「うん」


教室の入口で、慶太くんが来るのを待ってたら。



「うっざ。消えろよ」


って、すれ違いざまに言われたんだけど。
犯人ね、あの子。
黒髪ロングの後ろ姿を目で追った。


あの子、慶太くんのこと好きなんだろうな。



「どうかした?」


お、慶太くん。


「ううん?帰ろ」



あたし今幸せだからね。
そういうのどうでもイイ。